目次
限定承認とは?
相続放棄がプラスの財産、マイナスの財産の一切を放棄して『初めから相続人でなかったことになる』手続きであるのに対して、限定承認とはどういうことでしょうか?
プラスの財産だけを限定して相続?ではありません。
『プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する』のが限定承認です。
流れを大まかに説明をすると、
- 財産目録を作って、相続人全員で申請
- 認められれば、債権者に対して公告
- すでに判明している債権者、期間内に名乗り出た債権者に対してマイナスの財産を返済
- すべてのマイナスの財産を返済してプラスの財産が残れば、相続人で分割。
といった形です。
ただ、限定承認は手続きが複雑です。
その上、相続人の誰かが相続を単純承認したとみなされるようなことをしていたり、相続人全員の意見が合わなかったりすることで、手続きが出来なくなってしまいます。
プラスの財産とマイナスの財産がどのくらい存在するか不明な場合に有効な手続きではありますが、期限もありますので、相続人全員での早い段階での意見の統一が必要です。
1.限定承認はどうやってすればよい?
では、実際にはどうやって限定承認をするのでしょうか?
民法第924条
相続人は、限定承認をしようとするときは、第915条第1項の期間内(※3ヶ月以内)に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。
相続放棄と同じく家庭裁判所に書類を提出する形ですね。
では、以下に詳しくみていきます。
『申述人』
- 相続人全員が共同して行う。
- ただし、相続人が未成年者の方や成年被後見人の方の場合は以下の代理人が行う。
①法定代理人
※相続人が未成年者、成年被後見人の場合
②未成年者の特別代理人
※未成年者と法定代理人が共同相続人の場合等
※詳しくは管轄の家庭裁判所でご確認ください。管轄裁判所を調べる場合は以下の裁判所のホームページをご参考にご覧ください。
『申述期間』
- 相続人になったことを知った時から3ヶ月
※限定承認の場合は、相続人全員で申述するため、相続人の中で『自分が相続人になったことを最後に知った人』を基準に3ヶ月です。
民法第915条
1.相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2.相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
『申述先』
- 家庭裁判所 ※被相続人の最後の住所地の管轄
※管轄裁判所を調べる場合は以下の裁判所のホームページをご参考にご覧ください。
『費用』
- 収入印紙 800円/申述人1人
- 郵便切手 各管轄家庭裁判所で確認
※さいたま家庭裁判所の場合は460円/申述人1人
※管轄裁判所を調べる場合は以下のか裁判所のホームページをご参考にご覧ください。
『必要書類』
①限定承認の申述書
※裁判所のホームページより
②添付書類
・申述人全員に共通の添付書類
- 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 被相続人の住民票除票又は戸籍の附票
- 申述人全員の戸籍謄本
- 被相続人の子及びその代襲者で死亡している方がいる場合,その子及びその代襲者の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
・申述人が被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)の場合の追加添付書類
- 被相続人の直系尊属に死亡している方がいる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等
※相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母)
・申述人が被相続人の配偶者のみ被相続人の配偶者と兄弟姉妹及びその代襲者(甥・姪)の場合の追加添付書類
- 被相続人の父母の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本等
- 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本等
- 被相続人の兄弟姉妹で死亡している方がいる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本等
- 代襲者としての甥・姪で死亡している方がいる場合,その甥又は姪の死亡の記載のある戸籍謄本等
2.限定承認の注意点
『みなし譲渡所得税が発生する可能性がある』
限定承認は相続が開始した時に、時価で被相続人から相続人に対して、譲渡が行われたとみなされるので、譲渡所得税が発生する可能性があります。
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